東京2020 NIPPONフェスティバル 共催プログラム 2020インターナショナル 小倉百人一首 かるたフェスティバル

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sakurasakura

「小倉百人一首」「競技かるた」って??

漫画『ちはやふる』で取り上げられている「競技かるた」は、800年ほど前に選ばれた小倉百人一首をもとに作られた頭脳スポーツです。
このページでは、あらためてその成り立ちやルールなどをわかりやすく解説します!

  • 小倉百人一首かるた

    小倉百人一首とは?

    100人の歌人から1人1首の秀歌撰

    日本では古くから和歌を詠むことで感情や季節感を表してきました。そのうち5-7-5-7-7の31音で表現する和歌を「短歌」といいます。小倉百人一首は100首の短歌からできています。

    小倉百人一首は、平安末期から鎌倉時代にかけて活躍した歌人・藤原定家が、7~13世紀の天皇や貴族、女性、僧など、さまざまな職・身分にある歌人100人の歌より1人1首ずつ選んだ秀歌撰です。小倉山(京都市)にあったとされる定家の山荘で編纂されたなどと伝えられていることから、「小倉百人一首」と呼ばれています。
    「小倉百人一首」には、四季の歌や恋の歌、旅の歌、別れの歌などさまざまあり、それぞれの時代の歌人の想いや多彩な情景が詠まれています。

    小倉百人一首かるたとは?

    かるたは西洋と日本文化の融合

    安土桃山時代にポルトガルから伝来した「carta」は、現代のトランプ(playing card)と似たカードゲームだったようです。cartaは英語のcard(カード、札)を意味する言葉で、ポルトガル語の読み方がそのまま日本語で使われるようになりました。

    この西洋の遊びをヒントに、札(カード)に短歌を上の句と下の句とに分けて書いた「歌かるた」が作られるようになりました。平安時代から伝わる日本独自の貴族の遊びである「貝覆い」(一対のハマグリの貝殻を合わせる遊び) がその原型ともいわれています。室町時代以降、貴族の基礎教養として広まっていた小倉百人一首の100首を用いた「小倉百人一首かるた」も作られました。現存する最古の小倉百人一首かるたは『道勝法親王筆百人一首歌かるた』で、17世紀前半に作製されたと考えられています。

    小倉百人一首かるたの歴史

    当初は大名や貴族などにのみ楽しまれていたかるた遊びでしたが、木版印刷によるかるた札の大量生産が可能になったことで、江戸時代には庶民の娯楽として多くの人に親しまれるようになりました。小倉百人一首だけでなく、ことわざを基にした「いろはかるた」が上方や江戸だけでなく、各地で作られたようです。

    「小倉百人一首かるた」は、もともとは短歌1首が「上の句札」と「下の句札」に分かれていました。しかし歌を覚えていない人でも楽しめるように、江戸末期から明治期にかけて上の句札は歌1首すべてが書かれた「読み札」へと変化しました。尾崎紅葉の小説『金色夜叉』(明治30~35年に読売新聞で連載)にも若い男女が集まってかるた遊びに興じる場面が描かれているように、明治期にはお正月の遊びとして広く定着していたようです。

  • 競技かるたのあゆみ

    競技かるたとは

    競技かるたは、かるた遊びが発展したものといえます。明治25年ごろに東京医科大学生(現在の東京大学医学部生)たちが緑倶楽部、弥生倶楽部を創設し、その後いろいろなかるた会が設立されるようになりましたが、札の枚数や並べ方など定まったルールはありませんでした。

    当時、ジャーナリストとして活躍していた黒岩涙香氏は、自ら主体となって「第1回東京かるた会競技会」(1904[明治37]年)を開催し、これをきっかけとして現行に近い競技ルールが制定されました。

    現在では(一社)全日本かるた協会の競技規程に則り、1対1で競技が行われます。競技かるたで競技者が並べる札は、100枚の取り札からランダムに選んだ50枚のみ。競技者それぞれが各25枚を自分の陣に並べ、読手の読みに応じて取り札(下の句が書かれている札)を取り合います。相手陣(敵陣)の札を取った時や、相手がお手つきした時は、自陣から1枚を相手に渡し、自陣の札を減らします。こうして歌を読み進め、先に自陣の札がなくなった方が勝ちとなります。競技かるたは単にスピードを競うだけのものではなく、瞬発力・暗記力も必要とされます。また、勝つためのさまざまなテクニックや戦略が時代とともに生まれています。

    競技かるたの現状

    毎年1月、近江神宮(滋賀県大津市)で行われる競技かるた日本一を決める「名人位・クイーン位決定戦」を筆頭に、年間約60回の全国大会が各地で行われています。競技かるたは札を取る速さから、また長時間の試合に耐える精神力や体力を要するため「畳の上の格闘技」とも称されます。同時に、千年来の歌を未来に継承していく伝統文化でもあります。世代や性別を超え、多くの愛好者に親しまれている競技で、さらに近年では日本語を母語としない海外の競技者も増加しています。

    漫画『ちはやふる』の登場

    競技かるたに青春を懸ける少年・少女を熱く描いた漫画『ちはやふる』(作:末次由紀)は、2007年に連載が始まって以降、競技かるた人口の増加に大きく寄与してきました。特に高校生以下の若い世代を中心に広がりをみせ、2011年のアニメ化をきっかけに競技かるたを始める人々がさらに増え、今では学校の部活動や校内かるた大会などの参加者も含めれば競技かるた人口は国内で約100万人ともいわれています。『ちはやふる』は数カ国語 に翻訳され、アニメも全世界で字幕付きでネット配信され、人気を博しています。海外でかるたを始めた競技者は、漫画やアニメの影響が大きいといわれています。

  • かるたは海を越えて世界へ

    海外における発展

    海外における競技かるたの普及・発展には、漫画『ちはやふる』の影響だけではなく、海外在住の日本人による練習会の設立や指導も貢献しています。2000年ごろには海外競技人口はほぼゼロだったと思われますが、現在、世界で16あまりの国・地域で継続して練習会を実施するかるた会があります。さらに独自に大会を開催するところも出てきています。日本で開催される大会への海外からの出場者も増えてきており、海外のかるた人口は、今後も増加していくことでしょう。
    他にも「日本語を学んでいる」「日本文化に興味がある」など、さまざまな理由で小倉百人一首かるたを知り、ネットを通じて独学で競技かるたを学んでいる人もいます。速く札を取れた時の感動が忘れられず、競技かるたに熱中する人も少なくないようです。

    競技かるたは雅やかな日本文化的価値観と、瞬発力を要するスポーツ的魅力が融合した競技であり、同時に思考をフル活用する戦略的なゲーム性も備えた、他に類を見ない「頭脳スポーツ」として、世界的に受け入れられています。

    海外競技者の強み

    100分の1秒を競うスピード

    競技かるたでは2人の競技者が1枚の札を取るスピードを競い合い、上級者同士ではその差はわずか100分の1秒ともいわれます。もちろん初心者同士でも十分に楽しめますし、たとえ日本語を母語としない方でも、100首の「決まり字」(歌を特定する、上の句の最初の数文字)を覚えていれば、このエキサイティングな頭脳スポーツを味わえます。

    日本語を母語としない海外競技者は、日本人競技者と比べて不利であると思われがちですが、実は海外競技者が有利な点もあります。競技かるたでは、すべての札の「決まり字」を覚えることが大前提ですが、さらに場に並ぶ札の位置を暗記し、読まれた音への素早い反応が必要となります。その際、母音と子音が独立した言語を母語とする海外競技者は、「決まり字」の音を日本人よりも早く認識できる可能性もあり、その結果、音を聞いてからの動き出しが早いともいわれています。この「音への感じの鋭さ」は、100分の1秒の差を競う上で大きなアドバンテージといえます。

  • 競技かるたのルール

    競技かるたのルール概要

    競技かるたは、読手が読んだ読み札に対応する取り札を2人の競技者が相手より早く取ることを競う競技です。読み札には短歌の上の句から下の句の全てが書かれ、取り札には下の句のみがひらがなで書かれています。

    競技者が使う取り札は50枚のみです。はじめに100枚の取り札を畳の上で裏返しにして混ぜ、各々25枚ずつ(計50枚)を取ります。その25枚を、それぞれが競技線(幅:87㎝、高さ:札3段分)の範囲内に表向きに並べます。自分のほうの陣を「自陣」、対戦相手が並べた陣を「相手陣(敵陣)」と呼びます。自陣と相手陣の間は、3センチ空けます。競技線内であれば、自陣の札の並べ方は自由です。

    札を並べ終えると15分間の暗記時間があります。暗記時間中に両陣にある札の位置を記憶します。暗記時間中は相手の暗記を妨げないよう不要な動きを慎まねばなりませんが、暗記時間終了の2分前からは、身体を動かして素振りをすることもできます。

    試合は1人の読手が、1首ずつ読み札を読み上げることで進行します。読まれた短歌(上の句)に対応する取り札(出札)を、どちらの競技者が早く取る(※)かを競い合います。こうして互いに自陣の札を減らし合い、先に自陣の札を0(ゼロ)枚にした方の勝ちとなります。

    競技者が並べない残り50枚の札は空札(からふだ)と呼ばれます。読手は100枚の短歌をランダムに読むので、空札も読まれます。空札が読まれたときに札に触れてしまうと「お手つき」になり、ペナルティとして相手から札を送られます。
    ※競技かるたの場合、「先に出札に触れた人」、あるいは「払い手などにより出札を相手より先に競技線の外に出した人」の「取り」となります。

    決まり字

    100首の短歌には、ここまで聞けばどの短歌か特定できるという上の句の最初の部分があります。「決まり字」とは、その決定音(または、その決定音までの数文字)のことです。札によって決まり字の長さは違い、1字決まりから6字決まりまであります。

    100首のうち、上の句の最初の1音目(1字目)を聞いただけで下の句が特定できる短歌が7首あります。この7首を「1字決まり」(※)と呼びます。また、上の句を6音目まで聞かなければ判断できない「わたのはら」「あさぼらけ」「きみがため」で始まる札は、「大山札(おおやまふだ)」と呼ばれることもあります。

    ※「む」で始まる短歌は小倉百人一首の中に「村雨(むらさめ)の露もまだひぬまきの葉に霧たちのぼる秋の夕ぐれ」の1首しかありません。そのため上の句の最初の「む」の音を聞いただけで「きりたちのほるあきのゆふくれ」と書かれた取り札を取ることができます。「1字決まり」の歌は、「むすめふさほせ」の7首です。

    送り札

    競技かるたは自陣の札を0(ゼロ)枚にした選手の勝ちとなります。相手陣の札を取った場合には、自陣に並んでいる札から1枚を選んで相手陣へ送り、自陣の札を減らします。これを「送り札」と呼びます
    また、相手がお手つきをした場合も送り札をし、結果として自陣の札が減ります。

    お手つき

    空札が読まれたときに場にある札に触れてしまうと「お手つき」となります。この場合、相手から札を1枚送られることになります。
    出札が自陣なのに相手陣の札に触れた場合や、出札が相手陣なのに自陣の札に触れた場合もお手つきになり、相手から札が送られます。ただし、触れた札の陣内に出札があった場合は、お手つきにはなりません。

    挙手

    競技中、札を送ったり並べ直したりするなどで次の読みに対応する準備ができていないときは、読手に読みを待ってもらうため、片手を挙げる「挙手」によって知らせます。

    払い手・囲い手

    「払い手」は競技かるたにおける基本的な取り方で、出札を1枚だけ、あるいは同じ陣に並んでいる他の札と一緒に払って競技線の外に出す取り方です。
    「囲い手」は、札に触れないように出札の近くに手を出し、相手に取られないようにカバーしてから取る方法です。大山札(6字決まりの札)など決まり字が長い場合によく用いられる戦術です。

    礼に始まり礼に終わる

    競技かるたの試合は勝敗を競うものですが、礼儀も重んじます。試合開始時と終了時には、対戦相手と読手へ敬意をもって礼をします。

  • かるたをはじめるには?

    全日本かるた協会のH Pに地域、学校等のかるた会の情報が掲載されています。
    体験レッスンや見学などを実施している場合もありますので、お近くのかるた会までお問い合わせください。

    一般社団法人全日本かるた協会 http://www.karuta.or.jp